(ロ)宿直室・守護室のように、上記居住用の施設を備えられている場所に宿直員等が24時間寝泊りする場合。前述したように、宿直室等が量的に建物のごく一部の割合にしかすぎなくても、それだけでは全体を事業用建物とはいえません。ただ、その中味を検討すると、あくまで全体の事業を維持し、管理するために、その宿直室なり管理人室に24時間体制で複数の宿直員や管理人が、勤務上しかも通常は交代で寝泊りするのですから、全体として事業用建物として差し支えありません。
事業用定期借地権 事業用定期借地権の対象となる建物 (3)限界事例について 1
(a)宿直室・守護室の存する建物は事業用定期借地権の対象となりうるか。(イ)「仮眠室」については仮眠をとるだけであり、人の起臥寝食に供されるべき施設(キッチン・バス・トイレ)が備えられていないのであるから、事業用の建物です。
事業用定期借地権 事業用定期借地権の対象となる建物(2)一部に居住用建物を含む場合
事業用の建物の一部に、社員寮や社宅がついているものは、量的にごく少しの割合にすぎない場合も事業用の建物とは認められません。すなわち、量ではなく質の問題として一部でも居住用部分を含むものは「専ら」事業の用に供するものではありません。
事業用定期借地権 事業用定期借地権の対象となる建物 (1)-2
また、建物を所有する者が賃貸事業を行うのであっても、賃貸用マンション等は、居住の用に供されるので事業用建物から除かれることになります。逆に「居住」とは、特定人が継続してその建物を専有使用することですから、人の起臥寝食に供される場所であっても旅館・ホテル等は不特定人を対象とするものであり、事業用建物です。
事業用定期借地権 事業用定期借地権の対象となる建物 (1)-1
事業用定期借地権の対象となる建物は、「専ら事業の用に供する建物」です。「事業」とは営業よりも広く、公共的・公益的な目的をもつ活動を含みます。したがって、事業の用に供する建物とは、事務所・店舗・工場・遊技場・映画館・公会堂・集会室等が典型例となります。
定借マンションについて (4)定借マンションの管理の考え方について 3-3
②しかし、地代等の増減の問題が生じたときは、あくまで管理会社は地主の代理人であり、借地人らを代理する権限がありません。借地人は、別途代理人を立てる必要があります。③また、管理会社は借地人から地代等を預かる場合は、自らの会社の運転資金などを預けておく銀行預金口座ではなく、別の口座を開くことにより自らの財産に混入することを防ぐ義務を負担します。
定借マンションについて (4)定借マンションの管理の考え方について 3-2
そこで、管理会社の管理の範囲について特別な配慮が必要となります。すなわち、①地代の徴収については、地主から委託を受け報酬を得ることにより地代等の徴収を行います。借地人は、その点につきサービスを受け反射的に利益を得るにすぎないので、その限りで管理会社に地代等を委ねることができます。
定借マンションについて (4)定借マンションの管理の考え方について 3-1
(c)しかし、管理会社が地主と借地人という利害の対立する当事者双方の代理人として、地代等の徴収を行うことは利益相反の問題を生ずる場合があります。具体的には、地代等の増減の問題です。地主と借地人の双方から依頼を受けて地代の徴収義務を行っていた管理会社が、地主の代理人として地代の増額を請求したり、逆に借地人の代理人として地代の減額を請求することは、利益相反行為として許されません。
定借マンションについて (4)定借マンションの管理の考え方について 2
(b)このようなことから、管理会社が地主・借地人の双方から依頼を請けて地代等を徴収し、一括して地主等に支払うことが望ましいし、定借マンションにおいては現実にそのような手法が採られています。
定借マンションについて (4)定借マンションの管理の考え方について
(a)定借マンションにおいては、一般の所有権分譲マンションと同様に管理の問題を生じます。特に、地代については、前述のように分割債務と解されるとしても借地人は地代等の徴収を一括して管理会社に行ってもらい、まとめて地主に支払ってもらうことが便利であり、地主の側としても地代等をまとめて一本化して支払ってもらうことが便利です。











